| 発売日 | 2025年10月31日 | ブランド | CRYSTALiA |
| 原画 | 色谷あすか /ようづき | シナリオ | かずきふみ |
・かずきふみ全開の緻密なシナリオ構成
・探偵と助手のバディ関係が最高に心地いい
・近未来×推理=CRYSTALiA流ミステリーの新境地
CRYSTALiAがここまで本格的なミステリーに挑むのは、今回が初めてではないだろうか。
しかもSF要素まで加わっているようで、物語としての説得力が問われる作品になりそうだ。
プレイヤーが納得できるだけの構成でなければ、一気に評価を落としかねない――それがミステリー系の怖いところでもある。
シナリオがかずきふみ氏だから大丈夫だろう。
私の好きなきまぐれテンプテーションも面白かったので、きっと安心だろうと思いながらプレイします。
一部主人公ボイス有
最近のCRYSTALiA作品では、主人公にボイスが付く場面が一部見られるようになりました。
個人的にはこの流れを歓迎しています。むしろ、主人公ボイスをフルで入れてほしい派です。
どうせ一部だけ入れるくらいなら、いっそシーン以外にボイスを付けてしまえばいいと思うのです。
もし合わないと感じるプレイヤーがいても、主人公の音量だけOFFにすることは簡単にできますからね。
中途半端に入れるくらいなら、最初から全ボイス対応の方が作品として違和感もないと思います。

~オープニングムービー~
~あらすじ~
近未来、電脳化が一般的に行われている時代。
優秀な人材を輩出する教育機関【アカデミー】の卒業者である主人公【ハヤテ・キサラギ】は、
首席で卒業しながらも地位や名誉に関心がなく、故郷の街で探偵業を営んでいた。
アカデミーの在学生であり研修として半ば強引に転がり込んできたヒロイン【セラフィナ・グラシャーニ】と共に
ペット探しや浮気調査など、小さな事件を解決に導いてきた。
ある日、ハヤテの同窓生である【アデーレ・フォルガン】から奇妙な依頼を受ける。
フォルガン家の当主である彼女の祖父が危篤状態に陥ったことをきっかけに、
親族たちが次々と不審な死を遂げた。
親族たちは決まって、死ぬ数日前に「赤いドレスの女を見た」と口にしたという。
「あなたには、守って欲しいの。私たち、三姉妹を。そして、暴いて欲しい。
呪いの――真紅の貴婦人の、正体を」
好奇心を刺激されたセラフィナからの猛プッシュと、
旧友の頼みを断り切れなかったこともあり、依頼を承諾。
二人はフォルガン家の屋敷に招待され、真紅の貴婦人の影を追うこととなった。
「っていうか、いざ本当に大事件が舞い込んでくると、……探偵の仕事じゃねぇな。ってなりますね」
「まぁな……」
~公式FANZA引用~
~登場人物~
![]() セラフィナ・グラシャーニ | 事務所に押しかけ、強引に助手になったおてんば娘。 【アカデミー】に在籍中の三年生。 ――なのだが、ハヤテと一緒にいる方が大事! と講義をサボり続けているせいで卒業が危ぶまれている。 |
![]() ハヤテ・キサラギ | 数々の優秀な人材を輩出している特別な教育機関【アカデミー】を首席で卒業後、 亡き祖父の家業を継ぎ探偵となった。 才能の無駄遣いと級友たちには惜しまれたものの、 本人は飄々と毎日を過ごしている。 |
![]() アデーレ・フォルガン | 大富豪フォルガン家当主の孫娘。三姉妹の長女。 ハヤテの同級生で、【アカデミー】在籍時はそれなりに親しかった。 卒業後は疎遠になっていたが、ある日ふらりと事務所に現れハヤテに助けを求める。 |
![]() ディートリンデ・フォルガン | 大富豪フォルガン家当主の孫娘。三姉妹の次女。 特権階級意識が強く、非常に差別的な思想を持つ。 依頼のため屋敷を訪れたハヤテたちを快く思っていない。 |
![]() エミーリア・フォルガン | 大富豪フォルガン家当主の孫娘。三姉妹の三女。 いつもおどおどとしており、姉に対しても遠慮がちな態度をとる。 ディートリンデとは違い、ハヤテたちにも礼儀正しく接する。 |
![]() リーゼ・アシュクロフト | フォルガン家の寡黙な使用人。 他の使用人は解雇されてしまったため、 三姉妹の身の回りの世話はすべて彼女ひとりで行っている。 |
~感想【ネタバレ無し】~
CRYSTALiAといえば、近未来SF×異能バトルという王道をスタイリッシュに描くブランド。
しかし今作『姿を変える事件』は、それらのイメージを少し横に置き、
緊張と知的な謎解きを軸にした“探偵×ミステリー”作品へと舵を切った。
そして、筆を執るのはおなじみかずきふみ氏。
そのシナリオ手腕が存分に発揮された本作は、
終始「かずきふみらしさ」に包まれた濃密な一篇となっている。

かずきふみ全開の構成と語りの妙
本作最大の魅力は、やはりかずきふみ氏らしい構成の巧みさ。
物語が切り替わることで、事件の見え方シナリオそのものが変化していく。
この“シナリオの変化”が非常に面白く、プレイヤーを何度も惑わせながら真実へと導いていく。
戦闘シーンなどの派手さはなくとも、心理的な緊張感の積み重ねで魅せる演出は健在。
「衝撃的な展開」は多くないが、思わず息を呑む瞬間はしっかりと用意されており、
全体を通して高い完成度でまとまったミステリー作品と言える。

探偵×助手、魅力的なバディの関係
主人公ハヤテとヒロイン・セラフィナの関係性も、作品を支える重要な柱。
真面目に事件へ挑む中での軽口や掛け合いが実に心地よく、
重くなりがちな物語に絶妙な“緩和”を与えている。
まさにこのノリは「きまぐれテンプテーション」を彷彿とさせる。あのノリが好きな人は刺さるだろう。
特にセラフィナは見た目の可愛さをそのまま、
感情の揺れや好奇心を素直に見せる描写が多く、非常に人間味がある。
彼女の存在があったからこそ、プレイヤーも物語の核心へ自然と引き込まれていく。

メイドとヴィクトリアンな美学
そして忘れてはならないのが、ヴィクトリアンスタイルのメイドキャラリーゼである。
メイドが好きな私にとっては、立ち上がり拍手をかますほどだ。

上から下まで最高です。パーフェクトです。
Hシーンと演出面
Hシーンはメインヒロインのセラフィナに複数回、サブヒロインに各1回。
内容的にはやや短め、唐突に入るシーン本当に急に来るので、嫌いな人もいそうです。
グラフィック・BGMも高品質で、特に電子サウンド系のBGMが事件の緊迫感を際立たせる。
派手さよりも“静の演出”を重視した今作の方向性に非常にマッチしている。
総評|高水準なライトミステリー、続編に大いなる期待
『CRACK≡TRICK!』は、戦闘主体のCRYSTALiAから一歩引き、
シナリオとキャラクターで魅せる挑戦的な作品となっている。
大爆発的な盛り上がりはないものの、
終始高い完成度で走り抜け、短時間ながら満足度の高いプレイ体験を与えてくれた。
そして何より、設定やキャラクターの関係性が
「この先の物語がまだある」と感じさせる構成になっている。
折角の設定、折角のバディ。
この一作で終わらせるのは、あまりにも惜しい。
この世界の続きを、ぜひ次回作で見届けたい。

~最後に~
CRYSTALiAは、やはりバトルシーンの熱さに定評がありますね。
単なる演出ではなく、キャラクターの想いや信念がぶつかり合う“感情の戦い”として描かれているのが魅力です。
特に、バトル要素を求めている方には「絆きらめく恋いろはシリーズ」を強くおすすめします。
迫力あるアクションはもちろん、刀や霊力を用いた戦闘の美しさ、そして恋愛ドラマとの絶妙なバランスが見事。
CRYSTALiAらしい華やかさと熱量を存分に味わえるシリーズです。
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2ページ目からネタバレ有の感想を作成致しました。
プレイ済みの人やプレイを検討していない人だけご覧いただければと思います。










