はじめるセカイの理想論 −goodbye world index− プレイ感想【ネタバレ無し】

エロゲ紹介

異なる思いが織りなす、理想郷を描く物語

2024年、数多くのエロゲまとめ記事で話題となり、注目の的となったワールプールの作品。

私も以前から気になっていた作品だったので、さっそくプレイしてみました。

その結果、この作品が多くの評価を受けている理由を十分に実感しました。

発売日2024年02月22日ブランドWhirlpool
原画水鏡まみずシナリオ近江谷宥

オススメポイント

・一つの作品なのに4つの作品をプレイしているかのような満足感
・あなたが思う理想の世界とは
・主人公の能力により、キャラクターの発言に重みが

アップデートファイル有

詳しくは公式HPまで↓
はじめるセカイの理想論 -goodbye world index-|Whirlpool(ワールプール)オフィシャルWEBサイト

はじめるセカイの理想論 −goodbye world index−
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~オープニングムービー~

~あらすじ~

ここは、あなたが住む『そこ』ではないどこか。

主人公の少年・小野宮シンは、
この世界を司る神の呼びかけに応えた『転生者』の一人。

「世界を正しく導いて欲しい」

神から託されたのは、この歪な世界の未来そのもの。
周りには彼と同じように異なる世界から招かれてきた仲間たち。
『世界の敵』と称される影の化け物と戦いながらも、どこか穏やかで賑やかな『日常』が続いていた。

少年の心には傷がある。
かつて彼が生きていた世界は嘘にまみれ、その嘘に彼は殺された。

この世界に転生した時、彼が神に願い獲得した能力は『ダウト』
それは、他人の嘘を見抜く力。
もう二度と、嘘が自分を傷つけないようにと。

しかし、その力は同時に仲間たちの心をも暴くものだった。
心に秘めていたことや、目を逸らしていたいもの。
そんな少女たちの傷に触れることで、ぎこちなく、少しずつ、両者の距離は縮まっていく。

日々、刻まれていく終末へのカウントダウン。
かつて自らの居場所を失い、「こうであるべきだった」という理想を胸に隠し、
招かれた少年・少女の思いによって世界は形を変えていく。

終末のその先。
誰かが掲げる理想の世界へ向けて。



~FANZA GAMES引用~

~登場人物~


ヘルミリア=ヴァン=ノクスローゼ
かつて王国ラグナレカに千年の覇を唱えた、魔王の中の魔王。(自称)
千年王、不滅の薔薇など、畏怖と共にその名は語られていたという。(自称)
今は神居学園に通うニ年生。
授業はおろか、世界を守る勇者活動にもロクに参加せず、基本は部屋でごろごろとゲームをしている。
問題児にして、引きこもりのぐーたら魔王。
特に正義の具現化のようなヒナギクとは、頻繁にやりあっている。
能力「絢爛たる12使徒」
世界を越えて、かつて主従関係にあった12の魔王を召喚・使役する能力。いわゆる召喚魔法。
お気に入りは竜王エクエス。白黒模様が可愛らしい。

最上 ヒナギク
主人公たちが属する『救世委員会』の戦士枠。
メンバーでは一番この世界に来てからの日が浅い、一年生。
和風(?)の世界から召喚されてきたらしく、主人公が知る戦国時代の侍に近い印象。
「弱い者を守り、世界を救うために戦う」ときっぱり言い切れる正義の人。
明るくて、豪快で、目立ちたがり。ついでに言うとおバカ。
「私に任せろ」と突っ込んでいくし、失敗してもくよくよしない……等々。
能力「鬼哭紅蓮(おになきぐれん)」
喋る刀。刀としての破壊力もさることながら、サポート役としても有用な頼れる相棒。
…なのだが口うるさいオカン気質なので、時々鬱陶しい(本人談)。

綾月 ハルカ
文明が高度に発展した世界から召喚されてきた少女。学年は三年生。
感情が乏しい上にあまり物事に積極的に関わろうとしないので、存在感は薄め。
基本的にはいつも図書館にいて、本ばかり読んでいる。
「素敵なことの検証」「物語の世界の実現」と言っては、稀有な能力を無駄使いしている。
総じて何を考えているのかよくわからない人。
能力「私のための物語(マイ・ディアー・ファンタズマ)」
彼女が記した内容がなんでも現実になる魔法の本。
効果の持続時間は30分、効果範囲は「だいたい彼女の認識(視界)の内」だが、それも記入の仕方次第。
世界のあり方すら歪めかねないスーパーチート。

ティア=フォーレンタイト
皆と同じく救世の勇者の一人で、慈愛あふれる聖女。
勇者としての活動の他、学園の礼拝堂を一人で管理している。人呼んでシスター・ティア。
自ら愛の伝道師を名乗り、愛でこの世界を救うことを使命としている。
とにかく愛。全てにおいて愛。
その愛が暴走し主人公のことを誘いまくってくる。
おかげで主人公はかなり警戒している様子。
能力「永遠の献身(エターナルデボーション)」
他者の怪我や病など、あらゆる苦痛を自らに転嫁する能力。
代償が大きいが、「神が与えたもうた試練」と本人は使用に躊躇がない。

ノゾミ先生
主人公属する『救世委員会』の顧問。
情報提供や作戦立案、体調管理……等、
この世界に来て間もないメンバーの公私両面のサポートが役割。
表情こそあまり動かないが主人公たちのことが大好き。
最大限の敬意と愛情をもって接していることが、端々から伝わってくる。
顧問としての活動を離れたプライベートな部分はほとんど不明。
いい人なのは間違いない。

ヨル
物語冒頭で初めてその存在が明らかになった、夜の闇をまとった少女。
他の影の化け物達と異なり、言葉を用いる。
彼女が主人公たちに向けるのは底すら見通せない憎悪。
「世界を光なき闇の世界へ」を掲げ、主人公達に宣戦布告する。
全体的に遊びがない。
その正体も目的も、全ては謎に包まれている。

小野宮 シン
物語の舞台となる神居学園に通うニ年生。
この世界に召喚されてから日が浅く、まだ新しい環境や自分の使命を上手く受け止めきれていない。
嘘への拒否反応が強く、そのことは彼が持つ能力にも表れている。
能力が戦闘向きではないのもあって、勇者活動においてはあまり役に立ってない。
対人関係には消極的だが、使命のこともあるので他のメンバーと多少の関係は築いている。
能力「ダウト」
他人の言葉に込められた嘘を見抜く能力。
相手が嘘(自覚、無自覚を問わない)を喋っていることを判定できる。
あくまで嘘と判定できるだけで本心や真実がどうなのかまではわからない。

神ちゃん
この世界の神様。
主人公達をこの世界に召喚した張本人。
「神様とかじゃなくて神ちゃんでいいよ」とか言ってくる。なぜか友達気取り。
放っておいてくれないタイプで、誰かの身体を乗っ取っては(主な犠牲者はノゾミ先生)、
何かとちょっかいを出してくるが、役に立つことはあまり言わない。
ぐちぐち絡んでくるので注意が必要。
                                                   ~FANZA GAMES引用~

オススメルート

ヘルミリアルートは最後にプレイしてほしい。
シンルートは全キャラ攻略後シーンジャンプでプレイ可能。

~感想~

「理想の世界」とは何か――各ルートで紡がれる異なる答え

本作のテーマは「理想の世界」。主人公とヒロインたちは、それぞれの理想を追い求めて行動します。その結果、各ルートではまったく異なる物語が展開し、まるで別作品をプレイしているかのような新鮮さと満足感を味わえます。

特に個別ルートの最後には、各キャラクターが思い描く「理想の世界」とは何かが明確に示されるため、それぞれの答えを見届けたときの感動はひとしおです。これほどまでに各ルートがしっかりと差別化され、深く掘り下げられている作品は久しぶりです。

主人公の能力「ダウト」について

本作の大きな特徴の一つは、主人公が持つ特別な能力「ダウト」。この能力は、相手の発言が嘘であれば、そのテキストが赤く表示されというユニークな仕組みです。

この設定が非常に面白く、物語に深い緊張感と魅力を与えています。「これが嘘だということは、こういう意味があるのか」と、プレイヤーは登場人物の言葉の裏側を想像しながら進めることになります。この機能によって、キャラクターの発言一つ一つに重みが生まれ、単なる会話イベントがよりドラマチックに感じられる仕掛けとなっているのです。

考えさせられる「理想の世界」の答え

本作をプレイする中で、私自身も「理想の世界とは何か」を考えるきっかけを得ました。特に、ノゾミ先生が提示する答えに、深く共感しました。

少しネタバレ

「不完全な世界の成果物である彼らであるのなら、その世界を否定することは出来ない。」
「世界は完全である必要はない。完全なシステムは『個』を殺すもの。理想の世界は否定する。」

この言葉は、プレイ後もしばらく心に残り続けています。不完全であるからこそ、人間らしさや感情が生まれる。そして、「完璧な理想」だけを追い求めることが、かえって人間性を失わせてしまうのではないか。そんな深いメッセージが、本作には込められています。

他作品の言葉から考える「幸福」と「苦しみ」

プレイ中、ふと思い出した言葉があります。

「最高は最悪で、最悪は最高である。」

これは別の作品からの引用ですが、本作のテーマにも通じる部分があると感じました。人間にとって、過剰な幸福は時に苦痛となり、生きたいと抗うからこそ苦痛である。輝きだけが人生ではない。不完全な世界の中で、それでも「生きやすい世界」を模索する――これこそが、理想と現実のバランスを考える鍵なのかもしれません。だがしかし、もう少し日本は住みやすくなってほしいと切に願う。

総評:満足感と考察の余地が詰まった一作

はじめるセカイの理想論は、キャラクターたちが示す理想と、その答えに触れることで、プレイヤー自身が「理想の世界」について考えさせられる作品です。どのルートを進んでも新たな発見があり、特に最後にたどり着く「自分の理想」が、この作品のプレイ後に見えてくるのではないでしょうか。

2024年の代表格であるエロゲとして、ぜひ手に取っていただきたい一本です。不完全な世界の中で、人間らしさをどう生かすか――その問いに触れたい方には、心からおすすめします。

~最後に~

今回はWhirlpoolの「はじめるセカイの理想論」を紹介させて頂きました。

Whirlpoolの作品は初めてプレイしました。「竜姫ぐーたらいふ」や「猫忍えくすはーと」
「アンレス・テルミナリア」この辺りが気になるところです。

はじめるセカイの理想論 −goodbye world index−
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