終ノ空remake -2025ver- プレイ感想【ネタバレ無し】

エロゲ紹介

もう一つの1999年7月20日。

『終ノ空』の歩み――原作・リメイク・そして“素晴らしき日々”へ

ケロQのデビュー作『終ノ空』。哲学的な題材と電波系の語り口で、今なお語り継がれる伝説的作品です。本記事では、その発売からリメイク、そして派生作品である『素晴らしき日々』へと続く歴史を、ひとつの流れとして振り返ってみたいと思います。

1999年:哲学ADVの原点『終ノ空』が誕生

1999年にケロQから発売された『終ノ空』は、同じ事件を4人の異なる主人公視点から描く群像劇型ノベルゲーム。形式としてはADVですが、内容は極めて哲学的かつ挑戦的で、「電波系」といった言葉で語られることも多い作品です。

物語にはヴィトゲンシュタインを筆頭とした哲学者たちの思想が引用されますが、実際には言語哲学よりも認識論・存在論的な問題に重きを置いています。幻想と現実、他者との断絶、自我の不確かさといったテーマが作中に織り込まれ、当時の18禁ノベルゲーとしては異例のアプローチでした。

企画消滅と幻の『終ノ空 remake』

その後、ファンの間で再評価が進み、2000年代後半には『終ノ空 remake』の企画が立ち上がります。しかし、開発の過程で方向性が大きく変更され、リメイク企画は『素晴らしき日々 ~不連続存在~』という全く新しい形へと進化。結果として、remake企画は一度消滅します。

2010年:『素晴らしき日々』という再構築

『素晴らしき日々』は、終ノ空を“別の切り口”で描き直した精神的リビルド作品。登場人物や物語構造には多くの共通点が見られ、終盤では「終ノ空Ⅱ」に相当するルートも存在します。

ただし本作は単なる続編やリメイクではなく、より深く、より広く、そしてよりエンタメ的に構成された“再創造”作品。SCA-自氏がライターとしての集大成とも語る作品で、シナリオ・演出・構成ともにノベルゲーム史に残る名作として評価されています。

2020年:『remake』がついに陽の目を見る

そんな中、『素晴らしき日々~不連続存在~ 10th Anniversary特別仕様版』が2020年12月25日に発売されます。この記念パッケージには、

  • 『素晴らしき日々』本編
  • 『終ノ空』オリジナル版
  • そして『終ノ空 remake(2020ver)』

がすべて収録。これにより、長らく語られていた幻のリメイク版が、ついにユーザーの手に届く形で復活することになります。

2025年:再リファインされた『終ノ空 remake -2025ver-』

そして今年2025年、『素晴らしき日々~不連続存在~ 15th Anniversary Edition』が発売され、そこにはさらにブラッシュアップされた『終ノ空 remake -2025ver-』が収録されました。

この2025verでは、

  • 新規シーンの追加
  • CGのリメイク&差分の追加
  • UIや演出の現代化

など、単なる復刻に留まらない完全リファイン版として生まれ変わっています。

最後に

『素晴らしき日々』を先にプレイ済みだった私ですが、今回あらためて『終ノ空』をプレイしてみて、改めて両作の違いを感じました。

物語としてのドラマ性や完成度は間違いなく『素晴らしき日々』の方が上。しかし、その分内容はかなりダークで精神的にも重たい展開が続きます。
個人的には、先に『終ノ空』をプレイしておくことで、心の準備ができた状態で『素晴らしき日々』に挑めると感じました。特に初見の方にはこの順番をおすすめしたいです。

素晴らしき日々 ~不連続存在~ 15th Anniversary Edition
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~オープニングムービー~

~あらすじ~

1999年七月。
空から恐怖の大王が降臨し、アンゴルモアの大王を復活させ世界を滅亡に導く。

日本はバブルが終わり長い不景気の中にありつつも、長らく経済大国第二位に君臨し続けていた時代。
そんな時代に、ルネサンス期フランスの預言者の言葉が多くの若者の心を捉えていた。
それは――終わらない日常の中で、終わりへの切望の様な言葉は、栄華に対する罪悪感と不安が生み出したものだったのかもしれない。

その不安と罪悪感を、誰かが具現化したらどうなるだろうか?
その不安を通り道にして、侵入する者達があったらどうだろうか?

1999年七月。
東京都心にある北校で事件が始まる。

観念を現実に変える事が出来る者とは、人であるのか、神であるのか、それとも悪魔であるのか――。

前世を追う少女の飛び降り自殺から全てが始まる――。



~公式HP引用~

~登場人物~


水上行人
第一の視点者。 彼の視点から物語がはじまる

若槻琴美
第二の視点者。 水上行人の幼なじみで行人に好意を寄せている。 正義感が強く、強い意志を持っている。

高島ざくろ
第三の視点者。 すべての事件の震源地であり、 終ノ空世界始まりの少女である。

間宮卓司
最後の視点者。 終ノ空世界における中心的存在。 彼が導く世界の先に、その空は存在する

音無彩名
一にして全。

横山やす子
若槻琴美を慕っている。 剣道部の後輩であるが、 彼女にはまったく違った側面があった。

リルル
テレビアニメに出てくる魔法少女。 間宮卓司によって具現化する。
                                                   ~公式HP引用~

~感想~

今回プレイしたのは、『終ノ空 remake -2025ver-』。
“電波ゲー三大作品”のひとつとしても語られる本作ですが、個人的にはすでに『素晴らしき日々』をプレイ済みだったうえで、今回あらためて原点にあたる『終ノ空』に触れてみることとなりました。

『終ノ空』はやはり電波だった

『素晴らしき日々』の“原点”として知られる『終ノ空』ですが、その構成やキャラクター、セリフ回しなどは非常に似通っており、当然といえば当然のリンクが多く見受けられました。
しかし、同時に思ったのが――「やっぱりこの作品、電波だな」という率直な感想。

たとえ『素晴らしき日々』を事前にプレイしていても、「???」となる部分は多々ありました。
初見の方には、なおさら意味不明な部分が多いと思われますし、正直に言えば初心者にはとてもおすすめできる作品ではありません

それでも得るものは確かにある

ただ、決して「わけがわからないからダメな作品」ではありません。
物語の中には、ふとした瞬間に心を打たれる台詞や、深く考えさせられる場面が散りばめられており、それこそがこの作品の魅力でもあると思います。

2025verではCGのリメイクや新規差分の追加、新規シーンの挿入もあり、原作未プレイでも比較的触れやすくなっているのは確かです。
そして何より、この一本に**『素晴らしき日々』本編も同梱**されているのは非常にありがたい。

終ノ空を“今”プレイする意義

20年以上前にリリースされた作品が、時を経て今なおリメイクされ、語られ続けるというのは、それだけでこの作品の存在価値を物語っています。

ノベルゲームの“異端”に触れてみたい方、SCA-自作品のルーツを辿ってみたい方には、まさに今が絶好のタイミングかもしれません。

~最後に~

万人向けとは言えませんが、それでも間違いなく“語るに足る”作品です。
『素晴らしき日々』をこれからプレイする方にも、過去に心を揺さぶられた方にも、一度この“原点”に触れてみてほしい。

電波で、哲学的で、難解で、でも確かに――記憶に残る一本です。

2ページ目からネタバレ有の感想を作成致しました。
プレイ済みの人やプレイを検討していない人だけご覧いただければと思います。

素晴らしき日々 ~不連続存在~ 15th Anniversary Edition
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